入管法に詳しい某行政書士の雑記ブログ

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新型コロナウイルス感染症対策での外国人の日本への入国制限措置について(2021年11月6日現在最新版)

 2021年11月5日、外国人の新規入国制限の見直し及びワクチン接種証明書保持者に対する入国後の行動制限の緩和が、令和3年11月8日午前10時から実施されることが発表されました。

 

   今回は、新型コロナウイルス感染症対策での外国人の日本への入国制限措置(2021年11月6現在)について、外務省・法務省出入国在留管理庁)で発表されている情報をもとにまとめます。

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新型コロナウイルス感染症の感染拡大に係る上陸拒否措置等及び「外国人の新規入国制限の見直し」(概要)

出入国在留管理庁HP(https://www.moj.go.jp/isa/content/001347329.pdf)より引用

 ※注:日本への入国制限措置は日々更新がされていますので、具体的な事案の判断については、法務省HP・外務省HPで最新の情報をご確認ください。

 

【目次】

 

  .日本への上陸拒否制限について

(1)上陸拒否の原則

 入管法第5条1項14号に基づき、日本上陸前14日以内に以下の上陸拒否対象国・地域に滞在歴のある者に該当する外国人は、当分の間、特段の事情がない限り、上陸を拒否することとしています。

 ただし、上陸拒否対象地域でない地域から、以下に示す上陸拒否対象地域を給油や乗り継ぎ目的で経由(経由地で入国する場合は除く)した後に日本に到着する場合は、上陸拒否の対象となりません。

 なお、特別永住者の方については、入管法第5条第1項の審査の対象とならないため、上陸が拒否されることはありません。

 

<上陸拒否対象国・地域> 

アジア:インド、インドネシアカンボジアスリランカ、タイ、ネパール、パキスタンバングラデシュ東ティモール、フィリピン、ブータン、マレーシア、ミャンマーモルディブ、モンゴル

大洋州フィジー

北米:カナダ、米国

中南米アルゼンチン、アンティグア・バーブーダウルグアイエクアドルエルサルバドルガイアナキューバグアテマラグレナダコスタリカ、コロンビア、ジャマイカスリナム、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島セントルシア、チリ、ドミニカ共和国ドミニカ国トリニダード・トバゴニカラグア、ハイチ、パナマバハマパラグアイ、バルバドス、ブラジル、ベネズエラベリーズ、ペルー、ボリビアホンジュラス、メキシコ

欧州:アイスランドアイルランドアゼルバイジャンアルバニアアルメニアアンドラ、イタリア、英国、ウクライナウズベキスタンエストニアオーストリア、オランダ、カザフスタン北マケドニアキプロスギリシャキルギスクロアチアコソボサンマリノジョージア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキアスロベニアセルビアタジキスタンチェコデンマーク、ドイツ、ノルウェーバチカンハンガリーフィンランド、フランス、ブルガリアベラルーシ、ベルギー、ポーランドボスニア・ヘルツェゴビナポルトガル、マルタ、モナコモルドバモンテネグロラトビアリトアニアリヒテンシュタインルーマニアルクセンブルク、ロシア

中東:アフガニスタンアラブ首長国連邦イスラエルイラク、イラン、オマーンカタールクウェートサウジアラビア、トルコ、バーレーンパレスチナ、ヨルダン、レバノン

アフリカ:アルジェリア、エジプト、エスワティニ、エチオピア、ガーナ、カーボベルデガボンカメルーンガンビアギニアギニアビサウケニアコモロコンゴ共和国コンゴ民主共和国コートジボワールサントメ・プリンシペザンビアシエラレオネジブチジンバブエスーダン赤道ギニアセーシェルセネガルソマリア中央アフリカチュニジア、ナイジェリア、ナミビアボツワナマダガスカルマラウイ南アフリカ南スーダンモーリタニア、モロッコモーリシャスリビアリベリアルワンダレソト

(2)上陸拒否の例外

 上陸拒否対象国・地域からの入国であっても、以下の例外①、②、③、④にあたる場合は、特段の事情があるとして日本へ上陸をすることができます。

 なお、防疫上の観点から、入国・再入国に当たっては、原則として、医療機関において滞在先の国・地域を出国する前72時間以内にCOVID-19(新型コロナウイルス)に関する検査を受けて「陰性」であることを証明する検査証明(検査証明のフォーマットの詳細:水際対策に係る新たな措置について|厚生労働省)を取得する必要があります。

※出国する前72時間:検体採取から搭乗予定航空便の出発時刻までの時間

 

ア 例外①:再入国許可(みなし再入国許可を含む。以下同じ。)をもって再入国する外国人

 

 イ 例外②: 新規入国する外国人であって、以下のいずれかに該当する者

 ※入国目的等に応じて、地方出入国在留管理局において、在留資格認定証明書の交付を受けるとともに、滞在先の国・地域の日本国大使館・総領事館において、査証の発給を受ける必要があります。

 ・令和2年8月31日までに再入国許可をもって現在上陸拒否の対象地域に指定されている国・地域に出国した者であって、その国・地域が上陸拒否の対象地域に指定された後、再入国許可の有効期間が満了し、その期間内に再入国することができなかったもの
 ・日本人・永住者の配偶者又は子 

 ・ 定住者の配偶者又は子で、日本に家族が滞在しており、家族が分離された状
態にあるもの
 ・「教育」又は「教授」の在留資格を取得する者で、所属又は所属予定の教育機
関に欠員が生じており、その補充がないと当該教育機関の教育活動の実施が困難となるなどの事情を解消するために入国の必要があるもの
・「医療」の在留資格を取得する者で、医療体制の充実・強化に資するもの

・家族離散状態で家族統合の必然性が認められる者で、「家族滞在」又は「特定
活動(告示7号,18号,19号,23号,24号,30号,31号,38号,
45号及び47号に限る)」を取得するもの
・令和3年11月5日付け水際対策強化に係る新たな措置(19)2.(外国人
の新規入国制限の見直し)に基づいて新規入国する者 

 注:日本国内の受入責任者から業所管省庁へ提出した誓約書及び活動計画書を含
む申請書類について、事前に業所管省庁の審査を受けたことを条件に、商用・
就労目的の短期間(3月以下)の滞在者又は長期間の滞在者の新規入国が原則
として認められます。制度の概要については下記厚生労働省ホームページ(水際対策強化に係る新たな措置(19)について)を参照。

www.mhlw.go.jp

ウ 例外③:「外交」又は「公用」の在留資格を有する又は取得する者

 

エ 例外④:個別の事情に応じて特段の事情が認められる場合
・上記のほか、特に人道上配慮すべき事情があるときや、公益性があるときといった、個別の事情に応じて特段の事情が認められるもの

 

※特に人道上配慮すべき事情があると認められる場合の具体的事例は以下のとおりです。
「短期滞在」の在留資格を取得する者であって、以下のいずれかに該当する者
・親族訪問を目的とする新規入国者のうち、日本人・永住者の二親等以内の親族及び定住者の一親等以内の親族
・病気である本邦居住者又は出産する本邦居住者の看護又は日常生活の支援をする親族
・死亡又は危篤である本邦居住者を訪問する親族
・未成年者又は病気等の理由により単独で渡航することが困難な者の本邦への渡航に同伴する親族

 ※公益性があると認められる場合の具体的事例は以下のとおりです。なお、公益性については、個別事案ごとに、事業の所管省庁の責任の下、関係省庁との協議を経た上でその有無を判断されるため、以下はあくまで一例です。
・ワクチン開発の技術者

  

 (3)上陸拒否の非対象地域からの外国人の日本への入国について

 上陸拒否の非対象地域からの入国であっても、上陸拒否の非対象地域からの入国と道教に全世界を対象に査証発給の制限が行われており、現在、原則として「特段の事情」と同様の事情がある者についてのみ査証発給されています。
※現在、再入国の場合を除き、原則として、入国前に在外公館において査証の取得が必要です。

2.出国(搭乗予定航空便の出発時刻)前72時間以内のCOVID-19に関する検査証明についての詳細

※検体採取日時から搭乗便の出発予定時刻までが72時間以内であることが必要です。

※検査証明書の様式は原則として下記厚生労働省HP内のフォーマットを使用する必要があります。

www.mhlw.go.jp

※出国前検査証明(又はその写し)は紙で提出していただく必要があるため、出国前検査証明を電子データで保有している方は、事前に必ず印刷したものを準備をする必要があります。 

 

3.在留資格認定証明書の有効期間に係る新たな取扱いについて

 依然として新型コロナウイルス感染症の感染拡大が入国手続に影響を及ぼしていることに鑑み、2021年7月5日に下記のとおり、 在留資格認定証明書の有効期間の更なる延長措置を講じることとなることが出入国在留管理庁より発表されました。

在留資格認定証明書は、交付時点における上陸のための条件への適合性を証明するものであり、有効とみなす期間が過度に長期化することは認定証明書交付時の状況と入国時の状況が異なる可能性が高まるため、下記の新たな取扱い以降、認定証明書の有効期間の更なる延長は行わないことが明示されました。

在留資格認定証明書の有効期間の更なる延長措置>

①対象となる在留資格
 在留資格認定証明書の対象となる全ての在留資格

②対象地域
 全ての国・地域

④有効とみなす期間
・ 作成日が2020年1月1日~2021年7月31日
 → 2022年1月31日まで
・ 作成日が2021年8月1日~2022年1月31日
→ 作成日から「6か月間」有効

⑤有効とみなす条件
 在外公館での査証発給申請時,受入機関等が「引き続き、在留資格認定証明書交付申請時の活動内容どおりの受入れが可能である」ことを記載した文書を提出する場合

→参考様式が下記出入国在留管理庁HPに公表されています。

・参考様式<別表第1の在留資格(例:技術・人文知識・国際業務,留学等)用>

・参考様式<別表第2の在留資格(例:日本人の配偶者等,定住者等)用>

www.moj.go.jp

※ 査証申請より3か月経過した場合には、改めて上記文書を提出する必要があります。

 

 ※注:日本への入国制限措置は日々更新がされていますので、具体的な事案の判断については、法務省HP・外務省HPで最新の情報をご確認ください。

【速報】外国人の新規入国制限の見直し等について

 日本政府は本日11月5日、原則停止していた海外からの入国を緩和すると発表しました。

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入国までの事務フローについて
出入国管理局HP(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100256102.pdf)より引用

1.外国人の新規入国制限の見直しについて

(1)外国人の新規入国制限の見直しの概要

 11月5日に外務省より、新規入国制限の見直しが発表されました。

 現在原則として一時停止している外国人の新規入国について、日本国内の受入責任者から業所管省庁へ提出した誓約書及び活動計画書を含む申請書式が事前に業所管省庁の審査を受けたことを条件に、商用・就労目的の短期間(3月以下)の滞在者及び長期間の滞在者の新規入国を原則として認めることとなりました。
 この措置の実施に当たって、受入責任者から業所管省庁への申請の受付を、令和3年 11 月8日午前 10 時から開始されます。

(2)新規入国制限の見直しの詳細

 外国人の新規入国については、原則として全ての国・地域からの新規入国を一時停止し、「特段の事情」がある場合に限り、新規入国を認めることとしているところ、下記①又は②の新規入国を申請する外国人については、業所管省庁から指定された誓約書及び活動計画書を含む申請書式を日本国内に所在する受入責任者から当該業所管省庁へ提出し、当該業所管省庁から事前に審査を受けた場合、「特段の事情」があるものとして、新規入国を原則として認められることとなります。
①商用目的又は就労目的の短期間の滞在(3月以下)の新規入国
②長期間の滞在の新規入国

 

 措置の適用には、受入責任者から業所管省庁に対して、実施要領(内閣官房法務省、外務省及び厚生労働省において作成し別途公表)に沿って、誓約書や活動計画書
を含む申請書式を提出し、業所管省庁の事前の審査を受ける必要があります。

 本措置の適用について、以下①~③のいずれも満たす場合は、受入責任者を通じて業所管省庁へ事前に申請することができます。
①日本人の帰国者、在留資格を有する再入国者、商用・就労目的の3月以下の短期間の滞在の新規入国者又は緩和が必要な事情があると業所管省庁が認めた長期間の滞在の新規入国者であり、受入責任者がいること。
②入国日前 14 日以内に 10・6日の宿泊施設待機の対象の指定国・地域での滞在歴がないこと。

③日本政府が有効と認めるワクチン接種証明書を保持していること。 

 

※上記に基づく措置は、令和3年 11 月8日午前 10 時(日本時間)以降に帰国・入国する者で、事前に業所管省庁の審査を受けた者を対象。
※上記に基づく措置における受入責任者とは、入国者を雇用する又は入国者を事業・興行のために招へいする企業・団体等。
※上記に基づく措置に関する問い合わせ先及び各省庁の申請窓口は内閣官房法務省、外務省又は厚生労働省のホームページを参照。 

 

(3)必要書類等の詳細

  • 受入責任者が業所管省庁に申請する際に、必要となる書類は以下のとおりです。

①申請書【様式1】
②誓約書【様式2】
③活動計画書【様式3】

④入国者リスト【様式4】
⑤入国者のパスポートの写し
⑥待機期間の短縮及び特定行動を行う入国者のワクチン接種証明書(写)

※入国者の受入結果については、受け入れ結果報告【様式5】に記入し、業所管省庁に提出して頂く必要があります。

下記外務省HPに必要書類の詳細や上記申請書様式があります。

www.mofa.go.jp

 

2.ワクチン接種証明書保持者に対する入国後4日目からの行動制限の見直し

(1)行動制限の見直しの概要

 受入責任者(入国者を雇用する又は入国者を事業・興行のために招へいする企業・団体等をいう。)の管理の下で、ワクチン接種証明書保持者に対し、入国後最短で4日目以降の行動制限の見直しを認めることとなりました。
 具体的には、入国日前 14 日以内に 10・6日の宿泊施設待機の対象の指定国・地域での滞在歴がない帰国・入国者で、外務省及び厚生労働省にて有効と確認したワクチン接種証明書を保持し、日本国内の受入責任者から特定の省庁(原則として受入責任者の業を所管する省庁。「業所管省庁」)へ提出した誓約書及び活動計画書を含む申請書式について事前に業所管省庁の審査を受けた方については、入国後 14 日目までの待機施設等(受入責任者が確保する待機施設又は自宅)での待機期間中、入国後3日目以降に改めて自主的に受けた検査(PCR 検査又は抗原定量検査)の陰性の結果を厚生労働省に届け出ることにより、入国後4日目以降の残りの待機施設等での待機期間中、受入責任者の管理の下に活動計画書の記載に沿った活動(「特定行動」)を認められます。
 上記の措置は、日本人の帰国者及び外国人の再入国者に加えて、商用・就労目的の短期間(3月以下)の滞在者及び緩和が必要な事情があると業所管省庁に認められた長期間の滞在者について、上記の要件を満たした場合に原則として認められます。
 また、特定行動が認められる者の親族のうち、当該者と同一の行程で入国し、同一の受入責任者の管理を受ける方についても、上記の要件を全て満たす場合に限り、最短で4日目以降、特定行動を原則として認められます。
 この措置の実施に当たって、受入責任者から業所管省庁への申請の受付を令和3年 11 月8日午前 10 時から開始されます。
 なお、上記の入国後4日目以降の行動制限の見直しとは別途、入国後 14 日目までの自宅等待機の期間を 10 日目以降に短縮するためには、入国後 10 日目以降に改めて自主的に受けた検査(PCR 検査又は抗原定量検査)の陰性の結果を厚生労働省に届け出る必要があります。 

 

(2)行動制限の見直しの概要フローチャート

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出入国在留管理局HP(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100256100.pdf)より引用

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出入国在留管理局HP(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100256100.pdf)より引用

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出入国在留管理局HP(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100256100.pdf)より引用

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出入国在留管理局HP(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100256100.pdf)より引用

 

永住許可申請の必要書類へ新たに「了解書」が追加

 2021年10月1日から、永住許可申請の必要書類に、新たに「了解書」の提出が必要となりました。

 2021年10月1日以前に永住許可申請をされた方は追加提出の必要はありません。

 

 「了解書」は、出入国在留管理庁HPに所定様式が掲載されています。

www.moj.go.jp



「了解書」は、永住許可申請に際し、審査結果を受領するまでの間に以下の点について変更が生じた場合には、速やかに申請先の出入国在留管理局に連絡する必要があることを了解する文書です。

・就労状況に変更があった場合(具体例:所属機関の退職や転職)

・家族状況に変化があった場合(具体例:配偶者と離婚、同居家族と別居、新たに誰かと同居を開始)

・税金、年金保険料及び医療保険料の納付状況について、申請時点から変更が生じた場合(具体例:滞納した場合)

生活保護等の公的扶助を受けることとなった場合

・刑罰法令違反により刑が確定した場合

 

上記事情変更について、連絡しないまま永住許可を受けたことが判明した場合、永住許可が取り消されることがあるので注意が必要です。

 

 永住許可申請は、その外国人の状況により、必要書類等が異なり、また申請に必要な書類も通常の在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請に比べて多くなります。

 また、永住許可申請では審査も厳しく、外国人が用意した書類では必要書類が不十分で不許可となり、その後行政書士に依頼して永住が許可された例もあります。

  そのため、永住許可申請を検討する場合は、入管法に詳しい行政書士に相談されることをお勧めします。

 

高度専門職外国人が外国人の家事使用人を雇うには(在留資格「高度専門職」の優遇措置)

 外国人が個人的に外国人の家事使用人を雇用する場合、在留資格「経営・管理」、「法律・会計業務」等で在留する一部の外国人に対してのみ認められています。そして、「高度専門職」の在留資格保有する外国人については、一定の要件の下で、外国人の家事使用人を帯同することが認められます。

 

 今回、「高度専門職」の在留資格保有する外国人が、外国人の家事使用人を雇う要件を解説します。

 

【目次】

 

1.高度専門職外国人に雇用される家事使用人の在留資格の類型

(1)高度専門職外国人に雇用される家事使用人の3類型の概要

 高度専門職の在留資格をもって在留する外国人に雇用される家事使用人の在留資格には3つのタイプがあります。

 ①1つ目は高度専門職外国人と共に(又は後から)本邦に入国する家事使用人(特定活動告示2号の2。「家事使用人(入国帯同型)」)

 ②2つ目は高度専門職外国人に13歳未満の子がいること等により家事に従事することが認められる家事使用人(特定活動告示2号。「家事使用人(家庭事情型)」)

 ③3つ目は投資運用業等に従事する高度専門職外国人に雇用される家事使用人(特定活動告示2号の3。「家事使用人(金融人材型)」)

 

 2021年7月30日に特定活動告示が改正された関係で新しく類型が1つ追加されています。具体的には、今まで、①入国帯同型(外国で雇用していた家事使用人を引き続き雇用する場合)、②家庭事情型(13歳未満の子又は病気等により日常の家事に従事することができない配偶者がいる場合)だけだったのが、新たに、③金融人材型(高度専門職外国人が投資運用業等に従事するしている場合)が追加されています。

 

(2)高度専門職外国人に雇用される家事使用人の3類型の違い

 上記3つのタイプの違いは、以下の点にあります。

・家事使用人(入国帯同型)は、雇用主と共に出国する予定であることが必要で雇用主の変更は認められません。

・家事使用人(家庭事情型)は、雇用主の変更が認められる一方、雇用主である高度専門職外国人が13歳未満の子等を有している必要があります。

・家事使用人(金融人材型)については、高度専門職外国人の世帯年収等に係る要件
を満たしていれば、雇用主と共に出国する予定であることや、雇用主である高度専門職外国人が13歳未満の子等を有していることなどの要件は不要です。

 

 なお、家事使用人(入国帯同型)、家事使用人(家庭事情型)、家事使用人(金融人材型)のいずれにも該当するときは、これらの違いを理解した上で、いずれかを選択することになります。

 

2.家事使用人の3類型のそれぞれの要件

(1)家事使用人(入国帯同型)の要件

①高度専門職外国人に雇用されていること。
② 雇用主である高度専門職外国人が申請人以外に家事使用人を雇用していないこと。
③申請人の入国の時点において,雇用主である高度専門職外国人の日本入国後の世帯年収(予定)が1000万円以上であること。
 ※「世帯年収」:高度専門職外国人が受ける報酬の年額と当該外国人の配偶者が受
ける報酬の年額を合算したもの。配偶者以外の者の報酬などは含まれません。
④ 雇用主である高度専門職外国人が使用する言語により日常の会話を行うことができること。
⑤月額20万円以上の報酬を受けること。
⑥18歳以上であること。
⑦ 次のいずれかに該当すること
 ⅰ雇用主である高度専門職外国人と共に日本へ入国する場合
上陸申請を行う直前まで継続して1年以上当該雇用主である高度専門職外国人に個人的使用人として雇用されていること。
 ※「1年以上」の起算日は、申請人の入国日
 Ⅱ雇用主である高度専門職外国人が先に日本へ入国する場合
 雇用主である高度専門職外国人が日本へ入国するまで継続して1年以上当該高度専門職外国人に個人的使用人として雇用され、かつ、当該高度専門職外国人が日本へ入国後、引き続き当該高度専門職外国人又は当該高度専門職外国人が日本へ入国する前に同居していた親族(6親等内の血族、配偶者又は3親等内の姻族)に雇用されていること。 

 

(2)家事使用人(家庭事情型)の要件

①雇用主である高度専門職外国人が申請人以外に家事使用人を雇用していないこと。
② 申請人の入国の時点において,雇用主である高度専門職外国人の日本入国後の世帯年収(予定)が1000万円以上であること。
 ※「世帯年収」:高度専門職外国人が受ける報酬の年額と当該外国人の配偶者が受
ける報酬の年額を合算したもの。配偶者以外の者の報酬などは含まれません。
③ 雇用主である高度専門職外国人、申請人の入国の時点において、13歳未満の子又は病気等により日常の家事に従事することができない配偶者を有すること。
 ※「13歳未満」については申請人の入国日における年齢
④雇用主である高度専門職外国人が使用する言語により日常の会話を行うことができること
⑤月額20万円以上の報酬を受けること。
⑥18歳以上であること。 

(3)家事使用人(金融人材型)の要件

①雇用主である高度専門職外国人が、金融商品取引法第28条第2項に規定する第二種金融商品取引業、同条第3項に規定する投資助言・代理業又は同条第4項に規定する投資運用業に係る業務に従事していること。
②申請人の入国の時点において,雇用主である高度専門職外国人の世帯年収に係る以下の区分に応じ、それぞれ次の要件に該当すること。
 Ⅰ 1,000万円以上3,000万円未満 :申請人以外に家事使用人を雇用していないこと。
 Ⅱ 3,000万円以上:申請人以外に家事使用人を雇用していない又は申請人以外に雇用している家事使用人の数が1名であること。
※「世帯年収」:高度専門職外国人が受ける報酬の年額と当該外国人の配偶者が受け
る報酬の年額を合算したもの。配偶者以外の者の報酬などは含まれません。 

 

3.家事使用人の3類型のそれぞれの必要書類(在留資格認定証明書交付申請の場合)

(1)家事使用人(入国帯同型)の必要書類

在留資格認定証明書交付申請書(「特定活動」の様式・「○上記以外の目的」を選択) 1通
法務省のホームページから取得することもできます。

www.moj.go.jp


② 写真(縦4cm×横3cm) 1枚
※ 申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
③返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
④ 申請人の活動の内容,期間,地位及び報酬を証する文書 1通
⑤ 雇用主である高度専門職外国人の在留資格認定証明書交付申請の受理票、在留資格
証明書又は在留カードいずれかの写し 1通
 ※ 高度専門職外国人と同時に申請する場合は不要

⑥ 雇用主である高度専門職外国人の世帯年収を証する文書 1通
⑦雇用主である高度専門職外国人が申請人以外に家事使用人を雇用していない旨を記載した文書 1通
⑧雇用主である高度専門職外国人が日常生活において使用する言語について会話力を有することを明らかにする資料 1通
雇用契約書(写し)及び労働条件を理解したことを証する文書 1通
 ※厚生労働省作成のモデル雇用契約書を使用してください。
⑩高度専門職外国人が出国する場合は,その者の負担により共に出国することが予定されていることを誓約する文書 1通
 ※雇用契約書に当該条項がある場合は不要です。
⑪上陸申請を行う直前までに継続して1年以上雇用されていることを明らかにする資料(雇用契約書の写し等) 1通
⑫高度専門職外国人が先に日本に入国した後、引き続き当該高度専門職外国人が本邦へ入国する前に同居していた親族に雇用されている場合のみ、以下の資料
・高度専門職外国人が日本に入国するまで継続して 1 年以上雇用されていたことを明らかにする資料(雇用契約書の写し等) 1通
・高度専門職外国人が日本へ入国した後、上陸申請を行う直前まで引き続き親族に雇用されていることを明らかにする資料(雇用契約書等) 1通
・高度専門職外国人と親族との親族関係を立証する資料 1通
・高度専門職外国人と親族との同居事実を立証する資料(同一住所に居住していたことを証明する資料) 1通

(2)家事使用人(家庭事情型)の必要書類

在留資格認定証明書交付申請書(「特定活動」の様式・「○上記以外の目的」を選択) 1通

法務省のホームページから取得することもできます。

www.moj.go.jp

② 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
※ 申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
③ 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
④申請人の活動の内容、期間、地位及び報酬を証する文書 1通
⑤ 雇用主である高度専門職外国人に係る次のいずれかの資料
 Ⅰ 高度専門職外国人の在留カード又はパスポートの写し 1通
 Ⅱ 当該高度専門職外国人と共に入国する場合は、当該高度専門職外国人に係る在留資格認定証明書交付申請の受理票写し又は在留資格認定証明書写し 1通
 ※高度専門職外国人と同時に申請する場合は不要です。
⑥雇用主である高度専門職外国人の世帯年収を証する文書 1通
⑦ 雇用主である高度専門職外国人が申請人以外に家事使用人を雇用していない旨を記載した文書 1通
⑧ 雇用主である高度専門職外国人が日常生活において使用する言語について会話力を有することを明らかにする資料 1通
雇用契約書(写し)及び労働条件を理解したことを証する文書 1通
 ※ 厚生労働省作成のモデル雇用契約書を使用してください。
⑩ 高度専門職外国人が13歳未満の子又は病気等により日常の家事に従事することができない配偶者を有することを証する文書 1通

(3)家事使用人(金融人材型)の必要書類

在留資格認定証明書交付申請書(「特定活動」の様式・「○上記以外の目的」を選択) 1通

法務省のホームページから取得することもできます。

www.moj.go.jp


② 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
※ 申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
③ 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの 1通
④申請人の活動の内容,期間,地位及び報酬を証する文書 1通
④ 雇用主である高度専門職外国人に係る次のいずれかの資料
 Ⅰ 高度専門職外国人の在留カード又はパスポートの写し 1通
 Ⅱ 当該高度専門職外国人と共に入国する場合は、当該高度専門職外国人に係る在留資格認定証明書交付申請の受理票写し又は在留資格認定証明書写し 1通
 ※高度専門職外国人と同時に申請する場合は不要です。
⑥雇用主である高度専門職外国人の世帯年収を証する文書 1通
⑦雇用主である高度専門職外国人が申請人以外に家事使用人を雇用していない又は雇用主である高度専門職外国人の世帯年収が3,000万円以上の場合において、申請人以外に雇用している家事使用人の数が1人である旨を記載した文書 1通
⑧ 雇用主である高度専門職外国人が日常生活において使用する言語について会話力を有することを明らかにする資料 1通
雇用契約書(写し)及び労働条件を理解したことを証する文書 1通
 ※厚生労働省作成のモデル雇用契約書を使用してください。
⑩ 雇用主である高度専門職外国人の所属機関の金融商品取引法第28条第2項に規定する第二種金融商品取引業、同条第3項に規定する投資助言・代理業又は同条第4項に規定する投資運用業に係る登録済通知書写し等 1通
⑪雇用主が上記⑩のいずれかの業務に従事することを説明する資料(参考様式) 1通 

※下記HP内の「世界に開かれた国際金融センターの実現に向けた措置に係る金融人材に関する参考様式(PDF)」

www.moj.go.jp

 

4.参考:特定活動告示2号、2号の2、2号の3(抜粋)

 別表第二に掲げる外国人に当該外国人が使用する言語により日常会話を行うことができる個人的使用人として雇用された十八歳以上の者が、月額二十万円以上の報酬を受けて、当該雇用した外国人の家事に従事する活動
二の二 申請人以外に家事使用人を雇用していない法別表第一の二の表の高度専門職の在留資格をもって在留する外国人(以下「高度専門職外国人」という。)(申請の時点において、当該高度専門職外国人が受ける報酬の年額と、その配偶者が受ける報酬の年額とを合算した額(以下「世帯年収」という。)が千万円以上であるものに限る。)に当該高度専門職外国人が使用する言語により日常会話を行うことができる個人的使用人として雇用された十八歳以上の者(当該高度専門職外国人と共に本邦に転居する場合にあっては、継続して一年以上その者に個人的使用人として雇用されている者、当該高度専門職外国人と共に本邦に転居しない場合にあっては、その者が本邦に転居するまで継続して一年以上その者に個人的使用人として雇用され、かつ、その者の転居後引き続きその者又はその者が本邦に転居する前に同居していた親族に個人的使用人として雇用されている者であって、当該高度専門職外国人の負担においてその者と共に本邦から出国(法第二十六条の規定により再入国許可を受けて出国する場合を除く。)することが予定されているものに限る。)が、月額二十万円以上の報酬を受けて、当該高度専門職外国人の家事に従事する活動

二の三 次のいずれにも該当する高度専門職外国人に当該高度専門職外国人が使用する言語により日常会話を行うことができる個人的使用人として雇用された十八歳以上の者が、月額二十万円以上の報酬を受けて、当該高度専門職外国人の家事に従事する活動
イ 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十八条第二項に規定する第二種金融商品取引業、同条第三項に規定する投資助言・代理業又は同条第四項に規定する投資運用業に係る業務に従事していること。
 ロ 当該高度専門職外国人の世帯年収に係る次の区分に応じそれぞれ次に定める要件に該当すること。
(1)千万円以上三千万円未満申請人以外に家事使用人を雇用していないこと。
(2)三千万円以上申請人以外に家事使用人を雇用していない又は申請人以外に雇用している家事使用人の数が一人であること

 

5.最後に

 上記のとおり、高度専門職外国人が外国人の家事使用人を雇うには、3つの類型の家事使用人の在留資格があり、それぞれの要件や必要書類も複雑になっています。

 高度専門職外国人が外国人の家事使用人を雇う場合の在留資格については、入管法に詳しい行政書士に相談されることをお勧めします。

新型コロナウイルス感染症対策での外国人の日本への入国制限措置について(2021年9月23日現在最新版)

 2021年9月20日午前0時より、これまで再入国拒否となっていた対象となっていた「アフガニスタン、インド、スリランカ、ネパール、バングラデシュモルディブ」について、再入国拒否措置が解除されました。

 

   今回は、新型コロナウイルス感染症対策での外国人の日本への入国制限措置(2021年9月23日現在)について、外務省・法務省出入国在留管理庁)で発表されている情報をもとにまとめます。

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新型コロナウイルス感染症の感染拡大に係る上陸拒否措置等の概要
出入国在留管理庁HPより引用)

 ※注:日本への入国制限措置は日々更新がされていますので、具体的な事案の判断については、法務省HP・外務省HPで最新の情報をご確認ください。

 

【目次】

 

  .日本への上陸拒否制限について

(1)上陸拒否の原則

 入管法第5条1項14号に基づき、日本上陸前14日以内に以下の上陸拒否対象国・地域に滞在歴のある者に該当する外国人は、当分の間、特段の事情がない限り、上陸を拒否することとしています。

 ただし、上陸拒否対象地域でない地域から、以下に示す上陸拒否対象地域を給油や乗り継ぎ目的で経由(経由地で入国する場合は除く)した後に日本に到着する場合は、上陸拒否の対象となりません。

 なお、特別永住者の方については、入管法第5条第1項の審査の対象とならないため、上陸が拒否されることはありません。

 

<上陸拒否対象国・地域> 

・アジア:インド、インドネシアカンボジアスリランカ、タイ、ネパール、パキスタンバングラデシュ東ティモール、フィリピン、ブータン、マレーシア、ミャンマーモルディブ、モンゴル

大洋州フィジー

・北米:カナダ、米国

中南米アルゼンチン、アンティグア・バーブーダウルグアイエクアドルエルサルバドルガイアナキューバグアテマラグレナダコスタリカ、コロンビア、ジャマイカスリナム、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島セントルシア、チリ、ドミニカ共和国ドミニカ国トリニダード・トバゴニカラグア、ハイチ、パナマバハマパラグアイ、バルバドス、ブラジル、ベネズエラベリーズ、ペルー、ボリビアホンジュラス、メキシコ

・欧州:アイスランドアイルランドアゼルバイジャンアルバニアアルメニアアンドラ、イタリア、英国、ウクライナウズベキスタンエストニアオーストリア、オランダ、カザフスタン北マケドニアキプロスギリシャキルギスクロアチアコソボサンマリノジョージア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキアスロベニアセルビアタジキスタンチェコデンマーク、ドイツ、ノルウェーバチカンハンガリーフィンランド、フランス、ブルガリアベラルーシ、ベルギー、ポーランドボスニア・ヘルツェゴビナポルトガル、マルタ、モナコモルドバモンテネグロラトビアリトアニアリヒテンシュタインルーマニアルクセンブルク、ロシア

・中東:
アフガニスタンアラブ首長国連邦イスラエルイラク、イラン、オマーンカタールクウェートサウジアラビア、トルコ、バーレーンパレスチナ、ヨルダン、レバノン

・アフリカ:
アルジェリア、エジプト、エスワティニ、エチオピア、ガーナ、カーボベルデガボンカメルーンガンビアギニアギニアビサウケニアコモロコンゴ共和国コンゴ民主共和国コートジボワールサントメ・プリンシペザンビアシエラレオネジブチジンバブエスーダン赤道ギニアセーシェルセネガルソマリア中央アフリカチュニジア、ナイジェリア、ナミビアボツワナマダガスカルマラウイ南アフリカ南スーダンモーリタニア、モロッコモーリシャスリビアリベリアルワンダレソト

 

(2)上陸拒否の例外

 上陸拒否対象国・地域からの入国であっても、以下の例外①、②、③、④にあたる場合は、特段の事情があるとして日本へ上陸をすることができます。

 なお、防疫上の観点から、入国・再入国に当たっては、原則として、医療機関において滞在先の国・地域を出国する前72時間以内にCOVID-19(新型コロナウイルス)に関する検査を受けて「陰性」であることを証明する検査証明(検査証明のフォーマットの詳細:水際対策に係る新たな措置について|厚生労働省)を取得する必要があります。

※出国する前72時間:検体採取から搭乗予定航空便の出発時刻までの時間

※緊急事態宣言の発出に伴う検疫措置の強化により、全ての入国者に対し,出国前検査証明の提出を求めることとした措置について、「当分の間」継続することとなっています。

    

ア 例外①:再入国許可(みなし再入国許可を含む。以下同じ。)をもって再入国する外国人

※これまで「上陸の申請日前14日以内にインド、ネパール、バングラデシュモルディブスリランカアフガニスタンに滞在歴のあるものを除く」となっていた再入国拒否措置は、2021年9月20日午前0時より解除されています。

 

 イ 例外②: 新規入国する外国人であって、以下のいずれかに該当する者

 ※入国目的等に応じて、地方出入国在留管理局において、在留資格認定証明書の交付を受けるとともに、滞在先の国・地域の日本国大使館・総領事館において、査証の発給を受ける必要があります。

 ・令和2年8月31日までに再入国許可をもって現在上陸拒否の対象地域に指定されている国・地域に出国した者であって、その国・地域が上陸拒否の対象地域に指定された後,再入国許可の有効期間が満了し、その期間内に再入国することができなかったもの
 ・日本人・永住者の配偶者又は子 

 ・ 定住者の配偶者又は子で、日本に家族が滞在しており、家族が分離された状
態にあるもの
 ・「教育」又は「教授」の在留資格を取得する者で、所属又は所属予定の教育機
関に欠員が生じており、その補充がないと当該教育機関の教育活動の実施が困難となるなどの事情を解消するために入国の必要があるもの
・「医療」の在留資格を取得する者で、医療体制の充実・強化に資するもの

 

ウ 例外③:「外交」又は「公用」の在留資格を有する又は取得する者

 

エ 例外④:個別の事情に応じて特段の事情が認められる場合
・上記のほか、特に人道上配慮すべき事情があるときや、公益性があるときといった、個別の事情に応じて特段の事情が認められるもの

 ※公益性があると認められる場合の具体的事例は以下のとおりです。なお、公益性については、個別事案ごとに、事業の所管省庁の責任の下、関係省庁との協議を経た上でその有無を判断されるため、以下はあくまで一例です。
東京オリンピックパラリンピック競技大会に出場する選手及び大会関係者
・ワクチン開発の技術者

  

 (3)上陸拒否の非対象地域からの外国人の日本への入国について

 上陸拒否の非対象地域からの入国であっても、上陸拒否の非対象地域からの入国と道教に全世界を対象に査証発給の制限が行われており、現在、原則として「特段の事情」と同様の事情がある者についてのみ査証発給されています。
※現在、再入国の場合を除き、原則として、入国前に在外公館において査証の取得が必要です。

 

2.出国(搭乗予定航空便の出発時刻)前72時間以内のCOVID-19に関する検査証明についての詳細

※検体採取日時から搭乗便の出発予定時刻までが72時間以内であることが必要です。

※検査証明書の様式は原則として下記厚生労働省HP内のフォーマットを使用する必要があります。

www.mhlw.go.jp

※出国前検査証明(又はその写し)は紙で提出していただく必要があるため、出国前検査証明を電子データで保有している方は、事前に必ず印刷したものを準備をする必要があります。 

 

3.在留資格認定証明書の有効期間に係る新たな取扱いについて(2021.7.5更新)

 依然として新型コロナウイルス感染症の感染拡大が入国手続に影響を及ぼしていることに鑑み、下記のとおり、 在留資格認定証明書の有効期間の更なる延長措置を講じることとなることが出入国在留管理庁より発表されました。

在留資格認定証明書は、交付時点における上陸のための条件への適合性を証明するものであり、有効とみなす期間が過度に長期化することは認定証明書交付時の状況と入国時の状況が異なる可能性が高まるため、下記の新たな取扱い以降、認定証明書の有効期間の更なる延長は行わないことが明示されました。

在留資格認定証明書の有効期間の更なる延長措置>

①対象となる在留資格
 在留資格認定証明書の対象となる全ての在留資格

②対象地域
 全ての国・地域

④有効とみなす期間
・ 作成日が2020年1月1日~2021年7月31日
 → 2022年1月31日まで
・ 作成日が2021年8月1日~2022年1月31日
→ 作成日から「6か月間」有効

⑤有効とみなす条件
 在外公館での査証発給申請時,受入機関等が「引き続き、在留資格認定証明書交付申請時の活動内容どおりの受入れが可能である」ことを記載した文書を提出する場合

→参考様式が下記出入国在留管理庁HPに公表されています。

・参考様式<別表第1の在留資格(例:技術・人文知識・国際業務,留学等)用>

・参考様式<別表第2の在留資格(例:日本人の配偶者等,定住者等)用>

www.moj.go.jp

※ 査証申請より3か月経過した場合には、改めて上記文書を提出する必要があります。

 

 ※注:日本への入国制限措置は日々更新がされていますので、具体的な事案の判断については、法務省HP・外務省HPで最新の情報をご確認ください。

【外国人を雇用する事業主必見】外国人の不法就労とそのデメリットとは

  外国人労働者の雇用により、外国人特有の感性・能力の活用で会社の活性化を図ることができます。

 一方で、不法就労も発生しており、外国人労働者の受け入れについては、適正に行うことが必要です。最近ニュースになった不法就労の例を挙げると、在留資格のない外国人(少なくとも184人)がフードデリバリー大手「ウーバーイーツ」の配達員をするのを手助けしたとして、警視庁は2021年6月22日、運営していた会社と元幹部ら2人を入管法違反(不法就労助長など)の疑いで書類送検しています。

 

 そこで、本記事では、外国人労働者不法就労やそのデメリットを解説します。

 

【目次】

 

1.外国人労働者不法就労とは

 不法就労となるのは次の3つの場合です。

(1)不法滞在者や被退去強制者が働く場合

  具体例①:在留期限の切れた人や密入国する人が働く

  具体例②:強制送還されることがすでに決まっている人が働く

(2)就労できる在留資格を有していない外国人で就労許可を受けていないのに働く場合

 具体例①:観光等の短期滞在目的で入国した人が就労許可を受けずに働く

 具体例②:留学生や難民認定申請中の人が就労許可を受けずに働く

(3)入管から就労を認められた範囲を超えて働く場合

 具体例①:外国料理のコックや語学学校の先生として就労を許可された人が工場で作業員として働く

 具体例②:留学生が就労を許可された時間を超えて働く

 

2.不法就労をさせた場合の事業主としてのデメリット

(1)法的制裁:事業主も処罰の対象

 不法就労をさせたり(働くことが認められていない外国人を雇用したり)、不法就労をあっせんした者は、「3年以下の懲役」若しくは「300万円以下の罰金」又はその併科となります。

 外国人を雇用する際に、不法就労者であることを知らなかったとしても、在留カードを確認していない等の過失がある場合には、処罰を免れないことに注意が必要です。

  なお、外国人である事業主が不法就労助長行為を行うと、日本から退去強制の対象となります。

 

(2)社会的制裁:企業イメージの悪化

 企業コンプライアンスが重視される現在では、不法就労者の雇用が発覚した場合、消費者、取引先等の信用を失い、企業イメージが悪化する可能性があります。

 

 3.外国人を雇用する際の確認手順

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東京都都民安全推進本部発行「外国人労働者雇用マニュアル」12-13頁より引用

(1)在留カード表面の「在留資格」「在留期間」を確認

  ①在留資格:就労できる資格であることを確認

  ②在留期間:在留期間を経過していないことを確認

 

(2)在留カード表面の「就労制限の有無」欄を確認

 ①「就労不可」の記載がある場合

  ⇒原則就労不可。ただし、裏面の資格外活動許可欄が許可となっていれば、記載内容の制限を超えない範囲で就労可能。

 ②「就労制限なし」の記載がある場合

  ⇒就労内容に制限なし

 ③「在留資格に基づく就労のみ可」の記載がある場合

  ⇒就労内容に制限があり、在留資格で定められた就労のみ可能。在留資格が「特定技能」の場合は指定書も確認

 ④「指定書により指定された就労活動のみ可」の記載がある場合

  ⇒指定書により指定された就労のみ可能。

 

難民認定申請中の人について、有効な在留カードを所持していない場合や在留カードに「就労不可」となっている場合は雇用不可 

在留カードを所持していなくても就労できる場合がある方

 ・旅券に後日在留カードを交付する旨の記載がある方

 ・「3月」以下の在留期間が付与された方 

 ・「外交」「公用」の在留資格

(3)在留カード裏面の「資格外活動許可欄」を確認

  「就労不可」や「在留資格に基づく就労のみ可」の方であっても、裏面の「資格外活動許可欄」に次のいずれかの記載がある場合は就労することができます。ただし、資格外活動許可については、就労時間や就労場所に制限があるので注意が必要です。

 ①「許可(原則28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」

 ⇒複数のアルバイト先がある場合は、その合計が週28時間以内である必要があります。

 ②「許可(「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」に該当する活動・週28時間以内)」

 ⇒この場合は地方公共団体等との雇用契約に基づく活動である必要があります。

 ③「許可(資格外活動許可に記載された範囲内の活動)」

 ⇒この場合は、資格外活動許可書を確認する必要があります。

(4)仮放免許可は在留資格ではない点に注意

 仮放免とは、入管法違反の疑いで退去強制手続中であるか、又は、既に退去強制されることが決定した人が、本来であれば入管の収容施設に収容されるべきであるところ、健康上の理由等様々な事情により一時的に収用を解かれていることです。

 被仮放免者には、仮放免許可書が交付されますが、仮放免の許可は在留資格ではないので、基本的に就労することはできません。

 仮放免許可書の裏面に「職業又は報酬を受ける活動の禁止」と条件が付されている場合は、就労することができません。また、仮放免許可書にこの条件が付されていない場合であっても、就労可能な在留カードを所持している方を除き、就労することはできません。

4.外国人雇用の際のよくある質問

(1)不法就労を知らずに外国人を雇用した場合でも処罰の対象ですか?

 不法就労と知らずに雇用したとしても、在留カードの確認を怠ったなどの過失があった場合は処罰の対象です。外国人を雇用する際は、在留カード等をよく確認して、雇用可能かを判断する必要があります。

 

(2)雇用している「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で在留中の外国人が、在留期間内に、在留期間更新許可申請をしたのですが、結果が出る前にその在留期間が過ぎてしまいそうです。引き続き雇用は可能ですか?

 在留期間更新許可申請に対する処分が在留期間の満了日までになされない場合は、従前の在留期間の満了日から2か月を経過するまで、引き続き従前の在留資格をもって日本に在留することができるため、雇用しても問題はありません。

 ただし、在留期間の満了日以降に、在留期間更新許可申請に対する不許可処分がなされた場合は従前の在留資格を喪失するため、処分結果の通知に従う必要があります。

5.最後に

 在留資格は複雑なもので、ネットや書籍の情報を一読しただけはわからない場合が多くなっています。そのため、外国人を雇用する場合は、外国人の在留資格申請手続きの専門家である申請取次資格を持つ行政書士に相談することをおすすめします。

新型コロナワクチン接種2回目を終えて

 先日、新型コロナワクチン接種の2回目を無事終えることができました。

 私としては打つメリットが遥かに大きいと思っており、打たないという考えはなかったのですが、住んでいる自治体の大規模接種や病院等では予約がなかなか取れなかったのです。

 新しいワクチンのため、ワクチン接種について不安に思われているかと思います。

 今回のワクチン接種2回目の流れや接種後数日の状態について紹介したいと思います。

 興味のある方はご覧ください。

 あくまで個人の体験談です。

 

【目次】

 

1.新型コロナワクチン接種の2回目の概要

(1)接種したワクチンの種類

 今回、私が接種したワクチンはファイザー社製です。

  ファイザー社の新型コロなウイルスワクチンは下記厚生労働省HPに詳細があります。

www.mhlw.go.jp

(2)新型コロナワクチン接種の流れ

 私がコロナワクチン接種をした際は下記のような流れでした。

 ①受付で下記3点を提示します。

 ・区市町村から送付された接種券(クーポン券)の原本

 ・予診票 

  ※予診票はあらかじめ記入を済ませておくとスムーズです。

 ・身分証(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)

 ②医師の予診

 ③コロナワクチン接種

  ※コロナワクチンは肩近くに接種するため、可能な限り「半袖」で行くと楽です。

  ※接種時の感覚は、肩にチクッとする軽い痛みがある程度で、あっという間です。

 ④接種後15分の待機

  ※コロナワクチン接種後に最低15分は椅子に座って待機します。

 ⑤接種券にロット番号が記載された「新型コロナウイルスワクチン 予防接種済証(シール)」を貼り付けてもらう

 ⑥帰宅

 

(3)接種当日接種後の状態

  熱はなく、少しの倦怠感のみでした。19時頃には、注射した左腕を肩より上にあげると少し痛む程度です。

2.新型コロナワクチン接種2回目の翌日

(1)午前

注射した左腕を肩よりあげると接種部位が痛むため、肩より腕があげられないくらいでしたが、1回目よりは痛さの程度は気持ち少ない気がします。体温は36.7℃でほぼないですが、倦怠感がありました。

(2)午後

 午後になると、身体が熱くなり、体温計で測ると夕方頃には37.5℃まで上昇していました。夕方は、前日のワクチン接種時間からちょうど24時間後です。

 普段風邪を引かずあまり高熱にならないタイプなので、高熱がつらくて市販されている風邪薬を飲んだら2時間程度で高熱が収まりました。

3.新型コロナワクチン接種後2日目

 腕を肩よりあげても接種部位の痛みはほとんどなくなっていました。

 前日に飲んだ風邪薬のせいか、熱はなくなっていましたが、少し倦怠感と頭痛がありました。

 翌日の3日目には、特段症状はほぼなく回復した感じです。

 

4.最後に

 二回目のほうが副反応の程度が大きいと言われていてけっこうびくびくしていたのですが、私の場合、新型コロナワクチン接種の副反応は、あらかじめ厚生労働省HPに記載のとおりの想定内で、数日以内で回復しました。

新型コロナワクチンの副反応についての詳細は下記厚生労働省HPをご参照ください。

www.mhlw.go.jp

 現段階では政府で「ワクチンパスポート」の国内での活用の在り方を検討中のようです。「ワクチンパスポート」の積極的な活用で飲食店の利用、旅行、イベントなどの制限が緩和されれば嬉しいなと思っています。