2022年2月24日、水際対策強化に係る新たな措置(27)が公表され、同措置に基づき、同年3月1日午前0時(日本時間)から、観光目的以外の外国人の新規入国が認められることが発表されました。
大枠としては、外国人の新規入国については、原則として全ての国・地域からの新規入国を一時停止し、「特段の事情」がある場合に限り、新規入国を認められています。
2022年3月1日より、下記(1)又は(2)の新規入国を申請する外国人については、日本国内に所在する受入責任者が、入国者健康確認システム(ERFS)における所定の申請を完了した場合、「特段の事情」があるものとして、新規入国を原則として認めることとなりました(観光目的は認められません。)。
(1)商用・就労等の目的の短期間の滞在(3月以下)の新規入国
(2)長期間の滞在の新規入国
今回は、新型コロナウイルス感染症対策での外国人の日本への入国制限措置(2022年2月24日現在)について、外務省・法務省(出入国在留管理庁)で発表されている情報をもとにまとめます。
※注:日本への入国制限措置は日々更新がされていますので、具体的な事案の判断については、法務省HP・外務省HPで最新の情報をご確認ください。
【目次】
1.日本への上陸拒否制限について
(1)上陸拒否の原則
入管法第5条1項14号に基づき、日本上陸前14日以内に以下の上陸拒否対象国・地域に滞在歴のある者に該当する外国人は、当分の間、特段の事情がない限り、上陸を拒否することとしています。
ただし、上陸拒否対象地域でない地域から、以下に示す上陸拒否対象地域を給油や乗り継ぎ目的で経由(経由地で入国する場合は除く)した後に日本に到着する場合は、上陸拒否の対象となりません。
なお、特別永住者の方については、入管法第5条第1項の審査の対象とならないため、上陸が拒否されることはありません。
<上陸拒否対象国・地域>
アジア:インド、インドネシア、カンボジア、スリランカ、タイ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、東ティモール、フィリピン、ブータン、マレーシア、ミャンマー、モルディブ、モンゴル
北米:カナダ、米国
中南米:アルゼンチン、アンティグア・バーブーダ、ウルグアイ、エクアドル、エルサルバドル、ガイアナ、キューバ、グアテマラ、グレナダ、コスタリカ、コロンビア、ジャマイカ、スリナム、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セントルシア、チリ、ドミニカ共和国、ドミニカ国、トリニダード・トバゴ、ニカラグア、ハイチ、パナマ、バハマ、パラグアイ、バルバドス、ブラジル、ベネズエラ、ベリーズ、ペルー、ボリビア、ホンジュラス、メキシコ
欧州:アイスランド、アイルランド、アゼルバイジャン、アルバニア、アルメニア、アンドラ、イタリア、英国、ウクライナ、ウズベキスタン、エストニア、オーストリア、オランダ、カザフスタン、北マケドニア、キプロス、ギリシャ、キルギス、クロアチア、コソボ、サンマリノ、ジョージア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、セルビア、タジキスタン、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、バチカン、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベラルーシ、ベルギー、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ポルトガル、マルタ、モナコ、モルドバ、モンテネグロ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク、ロシア
中東:アフガニスタン、アラブ首長国連邦、イスラエル、イラク、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、トルコ、バーレーン、パレスチナ、ヨルダン、レバノン
アフリカ:アルジェリア、アンゴラ、エジプト、エスワティニ、エチオピア、ガーナ、カーボベルデ、ガボン、カメルーン、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、ケニア、コモロ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、コートジボワール、サントメ・プリンシペ、ザンビア、シエラレオネ、ジブチ、ジンバブエ、スーダン、赤道ギニア、セーシェル、セネガル、ソマリア、中央アフリカ、チュニジア、ナイジェリア、ナミビア、ボツワナ、マダガスカル、マラウイ、南アフリカ、南スーダン、モザンビーク、モーリタニア、モロッコ、モーリシャス、リビア、リベリア、ルワンダ、レソト
(2)上陸拒否の例外
上陸拒否対象国・地域からの入国であっても、以下の例外①、②、③、④にあたる場合は、特段の事情があるとして日本へ上陸をすることができます。
なお、防疫上の観点から、入国・再入国に当たっては、原則として、医療機関において滞在先の国・地域を出国する前72時間以内にCOVID-19(新型コロナウイルス)に関する検査を受けて「陰性」であることを証明する検査証明(検査証明のフォーマットの詳細:水際対策に係る新たな措置について|厚生労働省)を取得する必要があります。
※出国する前72時間:検体採取から搭乗予定航空便の出発時刻までの時間
ア 例外①:再入国許可(みなし再入国許可を含む。以下同じ。)をもって再入国する外国人
※再入国許可をもって再入国する外国人であって,上陸の申請日前14日以内にアンゴラ,エスワティニ,ザンビア,ジンバブエ,ナミビア,ボツワナ,マラウイ,南アフリカ共和国,モザンビーク,レソト又はコンゴ民主共和国に滞在歴のある者の再入国を拒否することとしていた措置については、2022年1月12日午前0時をもって終了しています。
イ 例外②: 新規入国する外国人であって、以下のいずれかに該当する者
※入国目的等に応じて、地方出入国在留管理局において、在留資格認定証明書の交付を受けるとともに、滞在先の国・地域の日本国大使館・総領事館において、査証の発給を受ける必要があります。
・令和2年8月31日までに再入国許可をもって現在上陸拒否の対象地域に指定されている国・地域に出国した者であって、その国・地域が上陸拒否の対象地域に指定された後、再入国許可の有効期間が満了し、その期間内に再入国することができなかったもの
・日本人・永住者の配偶者又は子
・ 定住者の配偶者又は子で、日本に家族が滞在しており、家族が分離された状態にあるもの
ウ 例外③:「外交」又は「公用」の在留資格を有する又は取得する者
※「公用」については必要性・緊急性が高いものに限ります。
エ 例外④:個別の事情に応じて特段の事情が認められる場合
・上記のほか、特に人道上配慮すべき事情があるときや、高い公益性があるときといった、個別の事情に応じて特段の事情が認められるもの
※特に人道上配慮すべき事情があると認められる場合の具体的事例は以下のとおりです。
「短期滞在」の在留資格を取得する者であって、以下のいずれかに該当する者
・病気である本邦居住者又は出産する本邦居住者の看護又は日常生活の支援をする親族
・死亡又は危篤である本邦居住者を訪問する親族
・未成年者又は病気等の理由により単独で渡航することが困難な者の本邦への渡航に同伴する親族
※公益性があると認められる場合は,特に必要性・緊急性が高いものであることが必要であり、公益性があると認められる場合の具体的事例は「ワクチン開発の技術者」です。
オ 例外⑤:外国人の新規入国制限の見直し
下記(1)又は(2)の新規入国を申請する外国人については、日本国内に所在する受入責任者(当該外国人を雇用又は事業・興行のために招へいする企業・団体等)が、厚生労働省の入国者健康確認システム(ERFS)における所定の申請を完了した場合、「特段の事情」があるものとして、新規入国を原則として認めることとなりました。
(1)商用・就労等の目的の短期間の滞在(3月以下)の新規入国
(2)長期間の滞在の新規入国
※本措置は、令和4年3月1日午前0時(日本時間)以降に新規入国する外国人であって、受入責任者による上記申請が完了した者が対象です。
※詳細や利用方法等については、下記厚生労働省ホームページ(外国人の新規入国制限の見直しについて) を参照ください。
※受入責任者は、入国者健康確認センターに対してERFSのログインID申請および外国人新規入国オンライン申請を第三者に代行させることができますが、行政書士(法人)でない者が有償で申請手続を代行することは、行政書士法に抵触するおそれがあるので、ご注意ください。
(3)上陸拒否の非対象地域からの外国人の日本への入国について
上陸拒否の非対象地域からの入国であっても、上陸拒否の非対象地域からの入国と道教に全世界を対象に査証発給の制限が行われており、現在、原則として「特段の事情」と同様の事情がある者についてのみ査証発給されています。
※現在、再入国の場合を除き、原則として、入国前に在外公館において査証の取得が必要です。
2.出国(搭乗予定航空便の出発時刻)前72時間以内のCOVID-19に関する検査証明についての詳細
※検体採取日時から搭乗便の出発予定時刻までが72時間以内であることが必要です。
※検査証明書の様式は原則として下記厚生労働省HP内のフォーマットを使用する必要があります。
※出国前検査証明(又はその写し)は紙で提出していただく必要があるため、出国前検査証明を電子データで保有している方は、事前に必ず印刷したものを準備をする必要があります。
3.在留資格認定証明書の有効期間に係る新たな取扱いについて
2021年12月28日、オミクロン株の世界的な発生を踏まえて,緊急避難的対応として,予防的観点から外国人の新規入国を停止する措置を執っていることに鑑み、下記のとおり、在留資格認定証明書の有効期間の更なる延長措置を講じることが発表されました。
<在留資格認定証明書の有効期間の更なる延長措置>
①対象となる在留資格
在留資格認定証明書の対象となる全ての在留資格
②対象地域
全ての国・地域
④有効とみなす期間
・作成日が2020年1月1日~2021年10月31日
→ 2022年4月30日まで
・ 作成日が2021年11月1日~2022年4月30日
→ 作成日から「6か月間」有効
⑤有効とみなす条件
在外公館での査証発給申請時,受入機関等が「引き続き、在留資格認定証明書交付申請時の活動内容どおりの受入れが可能である」ことを記載した文書を提出する場合
→参考様式が下記出入国在留管理庁HPに公表されています。
・参考様式<別表第1の在留資格(例:技術・人文知識・国際業務,留学等)用>
・参考様式<別表第2の在留資格(例:日本人の配偶者等,定住者等)用>
※ 査証申請より3か月経過した場合には、改めて上記文書を提出する必要があります。
※注:日本への入国制限措置は日々更新がされていますので、具体的な事案の判断については、法務省HP・外務省HPで最新の情報をご確認ください。