入管法に詳しい某行政書士の雑記ブログ

入管法に詳しい行政書士が気ままに語ります。

行政書士が業として財産管理業務及び成年後見人等業務を行うことについて

総務省行政書士の業務について」より引用

1.行政書士が業として財産管理業務及び成年後見人等業務を行うことについて

 2023年3月、行政書士が業として財産管理業務及び成年後見人等業務を行うことについて、総務省自治行政局行政課長より、

行政書士又は行政書士法人が業として行う行政書士法第 1 条の 2 及び第1条の 3 第 1 項(第 2 号を除く。)に規定する業務に関連して行われる「財産管理業務及び成年後見等業務」は、行政書士法第 13 条の 6 第 1 号・行政書士法施行規則第 12 条の 2 第 4 号に規定する「行政書士の業務に附帯し、又は密接に関連する業務」に該当する」

という総務省見解を明確に関係各所(各都道府県行政書士担当部(局)長、全国銀行協会事務・決済システム部長及び第二地方銀行協会業務部長)に対し示されました(令和 5 年 3 月 13 日付・総行行第 84、85 号 総務省自治行政局行政課長通知文)。

 

2.総務省自治行政局行政課長より関係各所へ総務省見解を示した経緯

 成年後見人については、御本人の意思を尊重し、御本人の心身や生活の状況に配慮しながら必要な契約などを代理して行うこと、さらに、御本人の財産を適正に管理していくことが基本的な職務として想定されています。そして、成年後見人については、法律上資格が制限されているものではありません。

 親族以外の方で選任されている場合の具体的な職種としては、弁護士、司法書士社会福祉士、税理士、行政書士精神保健福祉士社会保険労務士が挙げられています。

 財産管理業務及び成年後見人等業務は、行政書士の業務であるという総務省見解を受けた認識の下、日本行政書士連合会として適正な業務推進に取り組まれていましたが、実務の現場においては、各自治体が中心となって設置された成年後見における中核機関に行政書士の参画が認められない事例があるほか、各地の金融機関や裁判所から当該業務の根拠が不明確であるとの指摘を受けることなどして、行政書士が業務として遂行するにあたって支障を来している事例が散見されていました。

 そこで、日本行政書士連合会として、総務省に対し、各自治体を始めとする関係各所への理解の促進を図るべく、「いわゆる財産管理業務や成年後見人等として行う業務は、従来から行政書士又は行政書士法人の業務に附帯し、又は密接に関連する業務(行政書士法施行規則第 12 条の 2 第4 号)に該当し、行政書士又は行政書士法人が行うことができる業務である」旨を文書にて周知いただくよう要望し、これまでの総務省見解を明確に関係各所に対し示されたものです。 

 

3.総務省自治行政局行政課長通知の具体的な内容

 2023年 3 月 13 日( 総務省から 2 月 24 日に都道府県及び全銀協宛てに通知文書が発信されたが、その後、当該文書中に修正箇所が判明したため、2 月 24 日付け文書に替え、3 月13 日に改めて発信)、総務省自治行政局行政課長より、各都道府県行政書士担当部(局)長、全国銀行協会事務・決済システム部長及び第二地方銀行協会業務部長宛てに、次の内容を周知する通知が発せられました。

 

(1)行政書士が業として行う行政書士法第1条の2及び第1条の3第1項(第2号を除く。)に規定する業務に関連して行われる財産管理業務(民法(明治29年法律第89号)等の規定に基づき、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに類する地位(以下、「管財人等」という。)に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務をいう。以下同じ。)又は成年後見人等業務(民法等の規定に基づき、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、後見人、保佐人、補助人、監督委員その他これらに類する地位(以下、「後見人等」という。)に就き、他人の法律行為について、代理、同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務をいう。以下同じ。)は、行政書士の業務に附帯し、又は密接に関連する業務(行政書士法第13条の6第1号・行政書士法施行規則第12条の2第4号参照)に該当するものと考える。

 

(2) 行政書士が業として行う財産管理業務の例としては、行政書士が同法第1条の2及び第1条の3第1項(第2号を除く。)に規定する業務として行われる相続財産目録、遺産分割協議書、公正証書遺言書等の作成等に関連して管財人等に就き、民法等の規定に基づき当該管財人等として行う相続財産の調査等が挙げられる。

 

(3) 行政書士が業として行う成年後見人等業務の例としては、行政書士が同法第1条の2及び第1条の3第1項(第2号を除く。)に規定する業務として行われる財産目録、各種契約書等の作成等に関連して後見人等に就き、民法等の規定に基づき当該後見人等として行う成年被後見人の財産調査等が挙げられる。

 

4.最後に

 行政書士が専門家の一翼を担い、貢献できるように、私も微力ながら適正な財産管理業務、成年後見人等業務の推進にも取組んでいきたいと考えています。

 日行連として総務省に対し総務省見解を関係各所に示していただくよう要望いただいていることや、総務省が関係各所に示していただいたことについて、行政書士業務の適正な推進にとって大きなサポートであり、本当にありがたく思います。