2022年9月26日、日本政府より、「外国人の新規入国制限、入国時検査、入国後待機及び入国者総数の管理の見直し」が発表されました。
具体的には、10 月 11 日午前0時(日本時間)から、主に以下の4点について、水際措置の見直しがされることが決定されました。
①外国人の新規入国制限の見直し
外国人の新規入国について、日本国内に所在する受入責任者による入国者健康確認システム(ERFS)における申請を求めない。外国人観光客の入国について、パッケージツアーに限定する措置を解除。
②査証免除措置の適用再開
査証免除措置の適用を再開。
③入国者総数の管理の見直し
現在1日 50,000 人目途としている入国者総数の上限は設けない。
④入国時検査等の見直し
新型コロナウイルスへの感染が疑われる症状がある帰国者・入国者を除き、
入国時検査を行わない。ただし、全ての帰国者・入国者について、ワクチンの接種証明書(3回)又は出国前 72 時間以内に受けた検査の陰性証明書のいずれかの提出を求める。
今回は、新型コロナウイルス感染症対策での外国人の日本への入国制限措置(2022年9月26日現在)について、外務省・法務省(出入国在留管理庁)で発表されている情報をもとにまとめます。
※注:日本への入国制限措置は日々更新がされていますので、具体的な事案の判断については、法務省(出入国在留管理庁)HP・外務省HPで最新の情報をご確認ください。
【目次】
1.日本への上陸拒否制限について
(1)上陸拒否の原則
入管法第5条1項14号に基づき、日本上陸前14日以内に以下の上陸拒否対象国・地域に滞在歴のある者に該当する外国人は、当分の間、特段の事情がない限り、上陸を拒否することとしています。
ただし、上陸拒否対象地域でない地域から、以下に示す上陸拒否対象地域を給油や乗り継ぎ目的で経由(経由地で入国する場合は除く)した後に日本に到着する場合は、上陸拒否の対象となりません。
なお、特別永住者の方については、入管法第5条第1項の審査の対象とならないため、上陸が拒否されることはありません。
<上陸拒否対象国・地域>
令和4年9月4日午前0時(日本時間)に、これまで指定していた上陸拒否の対象地域は全て解除されています。
しかし、指定解除後も、日本への入国を希望する外国人の方は、再入国の場合を除き、入国前に査証の取得が必要です。
(2)上陸拒否の例外
上陸拒否対象国・地域からの入国であっても、以下の例外①、②、③、④、⑤にあたる場合は、特段の事情があるとして日本へ上陸をすることができます。
なお、防疫上の観点から、入国・再入国に当たっては、原則として、医療機関において滞在先の国・地域を出国する前72時間以内にCOVID-19(新型コロナウイルス)に関する検査を受けて「陰性」であることを証明する検査証明(検査証明のフォーマットの詳細:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/border_vaccine.html)を取得する必要があります。
※出国する前72時間:検体採取から搭乗予定航空便の出発時刻までの時間
※9月7日午前0時(日本時間)以降、有効なワクチン接種証明書を保持している全ての帰国者・入国者については、出国前72時間以内の検査証明の提出を求めないこととなっています。
ア 例外①:再入国許可(みなし再入国許可を含む。以下同じ。)をもって再入国する外国人
イ 例外②: 新規入国する外国人であって、以下のいずれかに該当する者
※入国目的等に応じて、地方出入国在留管理局において、在留資格認定証明書の交付を受けるとともに、滞在先の国・地域の日本国大使館・総領事館において、査証の発給を受ける必要があります。
・令和2年8月31日までに再入国許可をもって現在上陸拒否の対象地域に指定されている国・地域に出国した者であって、その国・地域が上陸拒否の対象地域に指定された後、再入国許可の有効期間が満了し、その期間内に再入国することができなかったもの
・日本人・永住者の配偶者又は子
・「定住者」の在留資格を取得する者
・「家族滞在」又は「特定活動(告示7号、18号、19号、23号、24号、30号、31号、34号、38号、45号、47号)」の在留資格を取得する者
ウ 例外③:「外交」又は「公用」の在留資格を取得する者
エ 例外④:令和4年5月26日付け水際対策強化に係る新たな措置(29)に基づいて新規入国する者
日本国内に所在する受入責任者(入国者を雇用又は事業・興行のために招へいする企業・団体等)が、厚生労働省の入国者健康確認システム(ERFS)における所定の申請を完了し、在外公館において査証の発給を受けた場合、商用・就労等の目的の短期間の滞在(3月以下)若しくは旅行代理店等を受入責任者とする観光目的の短期間の滞在又は長期間の滞在の新規入国が原則として認められます。なお、観光目的の新規入国については日本への上陸申請日前14日以内に滞在した国・地域が、令和4年5月20日付け水際対策強化に係る新たな措置(28)に基づく「青」区分の国・地域の場合に限定することとしてきたところ、令和4年9月7日午前0時(日本時間)から、対象国・地域が全ての国・地域に拡大され、また、旅行代理店等を受入責任者とするパッケージツアーについて、添乗員を伴わないものも認めることとしています。また、旅行代理店等とは、旅行業法に規定される旅行業者又は旅行サービス手配業者をいいます。
また、令和4年2月24日付け水際対策強化に係る新たな措置(27)により、受付済証と査証の発給を受けている場合も、原則として入国が認められます。
制度の詳細及び利用方法については、下記の厚生労働省ホームページ(外国人の新規入国制限の見直しについて)をご参照ください。
※受入責任者は、入国者健康確認センターに対してERFSのログインID申請および外国人新規入国オンライン申請を第三者に代行させることができますが、行政書士(法人)でない者が有償で申請手続を代行することは、行政書士法に抵触するおそれがあるので、ご注意ください。
オ 例外⑤:親族訪問又は知人訪問(親族に準ずる関係が認められる者、訪日の必要性があると認められる者)で「短期滞在」の在留資格を取得する者
※日本国内に居住する親族又は知人が、招へい人として、在外公館における査証申請時に防疫措置の遵守を誓約する必要があります。招へい人が知人である場合は、例えば以下の事情がある者については、親族に準ずる関係がある又は訪日の必要性があるとして、入国が認められることがあります。
〇本邦居住者と親族に準ずる以下の関係にある者
・婚約者
・事実婚関係
〇訪日の必要性があると認められる者
・結婚式又は葬儀に参列する者
・病気の知人を訪問する者
カ 例外⑥:上記のほか、特に人道上配慮すべき事情があるときや、公益性があるときといった、個別の事情に応じて特段の事情が認められるもの
※「特に人道上配慮すべき事情があると認められる場合」については、個別に判断されます。例えば、「生命に関わる病気の治療を受ける者」については、特段の事情があるものとして上陸が許可されることがあります。
※公益性があると認められる場合の具体的事例は「ワクチン開発の技術者」です。
(3)上陸拒否の非対象地域からの外国人の日本への入国について
上陸拒否の非対象地域からの入国であっても、上陸拒否の非対象地域からの入国と道教に全世界を対象に査証発給の制限が行われており、現在、原則として「特段の事情」と同様の事情がある者についてのみ査証発給されています。
※現在、再入国の場合を除き、原則として、入国前に在外公館において査証の取得が必要です。
2.出国(搭乗予定航空便の出発時刻)前72時間以内のCOVID-19に関する検査証明についての詳細
※検体採取日時から搭乗便の出発予定時刻までが72時間以内であることが必要です。
※検査証明書の様式は原則として下記厚生労働省HP内のフォーマットを使用する必要があります。
※2022年9月7日午前0時(日本時間)以降、有効なワクチン接種証明書を保持している全ての帰国者・入国者については、出国前72時間以内の検査証明の提出を求めないことなっています。
3.在留資格認定証明書の有効期間に係る新たな取扱いについて
2022年6月22日、依然として新型コロナウイルス感染症の感染拡大が入国手続に影響を及ぼしていることから、下記のとおり、在留資格認定証明書の有効期間の更なる延長措置を講じることが発表されています。
<在留資格認定証明書の有効期間の更なる延長措置>
①対象となる在留資格
在留資格認定証明書の対象となる全ての在留資格
②対象地域
全ての国・地域
④有効とみなす期間
・ 作成日が2020年1月1日~2022年4月30日
→ 2022年10月31日まで
・ 作成日が2022年5月1日~2022年7月31日
→ 作成日から「6か月間」有効
⑤有効とみなす条件
在外公館での査証発給申請時,受入機関等が「引き続き、在留資格認定証明書交付申請時の活動内容どおりの受入れが可能である」ことを記載した文書を提出する場合
→参考様式が下記出入国在留管理庁HPに公表されています。
・参考様式<別表第1の在留資格(例:技術・人文知識・国際業務,留学等)用>
・参考様式<別表第2の在留資格(例:日本人の配偶者等,定住者等)用>
※ 査証申請より3か月経過した場合には、改めて上記文書を提出する必要があります。
※注:日本への入国制限措置は日々更新がされていますので、具体的な事案の判断については、法務省HP・外務省HPで最新の情報をご確認ください。