入管法に詳しい某行政書士の雑記ブログ

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新型コロナウイルス感染症に関する影響に伴う在留諸申請等に関する特例措置

 新型コロナウィルス感染症の拡大の影響が続いており、日本に滞在中の外国人や、外国人を雇用する企業などから、ビザ申請に関する問い合わせが増えています。

 

 今回は、5月28日現在の、新型コロナウイルス感染症に関する影響に伴う出入国在留管理庁による在留諸申請等に関する特例措置について、語ります。

 

 現在、法務省HPに、新型コロナウイルス感染症に関する影響に伴い、外国人の在留諸申請等に関する様々な特例措置が掲載されています。

 

1.申請受付期間の延長について

 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う諸情勢に鑑み、感染拡大を防止する観点から、在留申請窓口の混雑緩和策として、3月、4月、5月、6月又は7月中に在留期間の満了日(注)を迎える在留外国人(「特定活動(出国準備期間)」で在留する外国人を除く。)からの在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請等については,当該外国人の在留期間満了日から3か月後まで受け付けるとしています。
(注)日本で出生した方など3月、4月、5月、6月又は7月中に在留資格の取得申請をしなければならない方を含みます。
(注)在留期間の満了日以降は、再入国許可又はみなし再入国許可により出国することができません。

(注)空海港では、在留諸申請の受付及び処分は行っていないため,本来の在留期限等を経過している方が出国する場合は、あらかじめお住まいを管轄する地方出入国在留管理官署において、申請及び許可を受けていただく必要があることには、注意が必要です。

 

2.審査結果の受領期間の延長について

 在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請を既に行っている在留カードをお持ちの方(中長期在留者)について、審査結果の受領(在留カードの交付等)は、通常は在留期間の満了日から2か月後までですが、この期間を3か月延長しております。

 

3.在留カード関係の届出・申請に係る受付期間の延長について

 在留カードに係る法定の届出・申請期間の末日(在留カードの有効期間満了日を含む。)が3月、4月、5月、6月又は7月中である方については、その末日から3か月後までに,届出・申請を行っていただくことで差し支えないとしています。

〈対象となる届出・申請〉
在留カードの氏名等の記載事項の変更届出(入管法第19条の10第1項)
在留カードの有効期間更新申請(入管法第19条の11第1項)
在留カードの紛失等による再交付申請(入管法第19条の12第1項)

 

4.特別永住許可申請の受付期間の延長について

 特別永住者の子として本邦で出生し、引き続き本邦に在留する方であって、3月、4月、5月、6月又は7月中に出生日から60日を経過した方については,出生日の 61 日目から3か月後まで市町村において特別永住許可申請を受け付けるとしています。
〈対象となる申請〉
特別永住許可申請(入管特例法4条第1項及び第2 項)

 

5.在留申請中に再入国許可により出国中の者への取扱いについて

 再入国許可(みなし再入国許可を含む。)により出国中である方が出国前に在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請又は永住許可申請を行っている場合であって,新型コロナウイルス感染症の影響により再入国できないときは,本邦にある親族又は受入れ機関の職員等による当該申請の許可に係る在留カードの代理受領を認めることとし、出国中の方が再入国許可による上陸申請を行うことを可能とするとしています。

 

6.新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い在留資格に係る活動を行うことができない場合における在留資格取消手続の「正当な理由」について

 入管法別表第1の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」、「技能」、「留学」等)をもって日本に在留している外国人が、その在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合でも、その活動を行わないで在留していることについて「正当な理由」があるときは、在留資格の取消しの対象とはならないとしています。
 この点について、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や感染防止対策による影響により、例えば次のようなケースに該当して、その在留資格に係る活動を継続して3か月以上行うことができないと認められる場合は、その活動を行わないで在留していることについて「正当な理由」があるときに当たると考えられるとしています。
① 在籍している就労先が営業不振(又は営業自粛)となり、一時的に休業せざるを得なくなった場合
② 在籍していた稼働先を退職後、インターネットを利用するなどして再就職先を探す活動を行っていたり、または、再就職できる見込みがあっても会社訪問を行うことができない状況にある場合
③ 在籍している教育機関が休校となった場合(進学先の教育機関が休校となっている場合を含む。)
④ 在籍していた教育機関が閉校した後、他の教育機関に入学するために必要な手続を進めることができない場合
⑤ 新型コロナ感染症を含む病気治療のための入院が長期化し教育機関を休学している場合

 

 

上記は、法務省HPに掲載されている、新型コロナウイルス感染症に関する影響に伴う外国人の在留諸申請等に関する特例措置のうち、主要なものを抜粋しています。

そのため、その他の特例措置等については、法務省HPをご参照いただければと思います。

 

※注:日々更新がされていますので、具体的な事案の判断については、法務省HPで最新の情報をご確認ください。